こんにちは、沖縄県教職員組合那覇支部の書記長を務めています澤岻優子です。教職員組合は忙しい教師の負託を受けて、教育行政と交渉したり、組合員個々の相談を受けて問題を解決したりと、教職員のくらしと働き方の改善に努力しています。今日が第1回となりますが、毎月この場をお借りしまして、課題と現状などをコラムとして書いていきたいと思います。
今回は、「教職員の不足」についてお話ししたいと思います。今、教職員の不足が新聞紙上で訴えられています。教職員の不足については、結論を先にいいますと「小泉政権下の地方分権改革」に遡って、国の義務教育国庫負担制度で国の負担を減らし、総額裁量制を導入し、そもそもの正規採用を減らしていったことが原因です。今こそ教職員の定数を大幅に増加させることが必要です。今回のお話はクレスコ10月号の慶應義塾大学の佐久間亜紀さんの論考をもとにお話しします。
地方自治体は総額裁量の中で、教職員の「数」を確保するために正規職員の数や給与を減らし、臨時職員を多くすることを強いられてきています。しかし、団塊世代の大量退職によって一時的に教員採用数が増加に転じたことによって、非正規職員になる層は減少しました。世代が交代したことによって産休取得者も増加し、非正規職員の需要が増え臨任不足に拍車をかけています。
また、教員免許更新制の導入で教員免許を取りにくくしたために、教師にならなくても教員免許を持っておこうという人を減らし、非正規職員の成り手も減らしてきました。
臨時職員も非常勤講師もなり手がいなくなった今、教職員の労働環境は悪化し、SNSなどでその実態が広がり、教職員になりたがる学生も減るという悪循環が起きています。
教育はこの国の形をつくっていくことでもありますし、個々人の憲法で保障された幸福権を追求していく人格を形成する場でもあります。沖縄県教職員組合那覇支部はそのために組合員や現場の教職員全体と協力して県へも国へも教職員の増員を求めていきます。ぜひ、みなさんの現場の実情など忌憚のないご意見を那覇支部へお寄せください。