例年、人事異動学習会を9月に開催しています。10月には個別の相談を行うので、その説明のためです。10月の個別相談には91人の方の相談がありました。一緒に異動の希望理由を考え、調書の書き方をアドバイスしました。まとめた内容を教育事務所と交渉し、一緒に考えていきます。11月19日が交渉日となっています。
異動は教職員の人生と健康に直結するからです。
異動はただの配置ではなく、
生活環境 家族との時間 通勤負担 健康状態 心の状態 仕事の質
これらのことに大きくかかわります。つまり働き続けられるかどうかということに直結します。
管理職には言いづらい事情もあったり、異動希望の理由をうまく言葉にできない場合があるからです
病気治療・通院 家庭の介護 子育て・シングル パートナーの事情 苦手な校種・校務分掌
前年度のしんどさ やりがいのある今の仕事を続けたいので留任したい
例えば、こういったことを正確に伝えられるように文章にするお手伝いをしています。自分のことって言葉にすることは誰でも難しいものです。
組合には人事異動について教育行政と直接交渉できる権利があるからです
教職員が1人で声をあげることは大変なことです。ましてや公務員はその権利を制限されています。教職員組合は教育行政と交渉する権利が法律で認められています。その交渉には教育行政は応じる義務があります。人事異動に関しても、ひとりひとりではできない交渉を通じてみなさんの様々な事情を教育事務所にお伝えしています。教育事務所にとっても異動を考えるよい情報提供となり、互恵関係を築けるように努力しています。
職場の負担を減らし、働きやすさを守るため
極端な例だけど――
- 毎年問題の多い学年を続けて担当
- 特別支援の経験ゼロの人が突然配置
- 校務分掌が偏る
- 適性と全く違う部署に回される
こういう“負担の偏り”は、
その人だけでなく 学校全体の負担にもなります。
人事異動相談に組合が関わることで、「適材適所で働けるように整えられる」ことにも寄与できたらと考えています。また、必要性を超えた管理職や行政側の意図が影響するような異動(そんなことはめったいないと思いますが)や、本人の事情を無視した決定とならないように、組合が関わることで「透明性」と「公平性」が担保できたらと考えています。
組合員が「ひとりじゃない」ということを感じてほしいから
異動って不安なものです。
- どんな学校だろう?
- 自分は評価されているのか?
- どう動いたら正解なんだろう?
この“見えない不安”に寄り添いたいと思っています。
教職員の心理的安全を支えることも組合の大切な活動です。
異動相談を通して学校と教職員の働き方の実情を知るため
異動相談は、実は 学校現場のリアルを知る重要なデータ でもあります。
- どの学校がしんどいのか
- どんな問題が起きているのか
- どんな不安が現場にあるのか
こうした声が集まることで、組合は管理職や教育行政と交渉したり、改善提案をしたりできます。
組合は「人の人生を支える」ためにあるということを異動相談ではいつも実感します。
内示が出た後の交渉は難しい
しかしながら、人事異動は大規模に人を配置する作業であり、教育事務所でも現場の教職員の要望や、学校の実情等も考慮して広範な検討の上に異動の編成を行っていることだと思います。その編成を経て出た内示を動かすということはかなり難しいです。一度決まった編成を一部でも変えると、玉突きで別の人の人事も動かさなければならなくなるからです。なので内示前の編成を行っている段階での教育事務所への交渉と情報提供が重要になっています。そのために、那覇支部は人事異動学習会を開催して異動相談の呼びかけを行っています。人事異動学習会は組合員でなくても参加できます。内示前の組合への相談を強く呼びかけます。そしてぜひ組合に加入して、交渉できるようにしましょう。

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