先生たちも知っておきたい制度の話
子どもの不登校が続くと、保護者は仕事を休んだり早退したりと、日常生活に大きな負担を抱えます。ある団体が行ったアンケートでは、不登校の子どもを抱える家庭の67%で母親が主に対応しており、退職や休職に追い込まれるケースも少なくありませんでした。
さらに、保護者の約4人に1人が「仕事を辞めた、または辞めざるを得なかった」と回答しており、不登校が家庭の収入にも直結してしまう現実があります。
こうした状況を背景に、国は企業に向けて「不登校休暇」や時短勤務の整備をすすめる方針を示しています。すでに年5日まで取得できる「不登校休暇」を設けた企業も出始めました。
沖教組も交渉し、沖縄県でも「子の看護休暇」の拡充を勝ち取りました。
2024年1月22日の三者交渉(沖教組・高教組・県職労)の交渉で「子の看護休暇」の拡充を勝ち取りました。これまでは「子の看護休暇」という名称だったものが、「家族休暇」と名称を変え、配偶者 父母 子 配偶者穂父母 孫及び兄弟姉妹も5日間を上限に休暇が取れることになりました。家族で支えあって子の看護ができるようになりました。ただこれが、即、不登校休暇とイコールなのかということは沖教組那覇支部としても実態を見守りつつ確認していきたいと思います。
しかし、制度があっても使えないと意味がない
しかし一方で、制度があっても「使わせてもらえない」「申請しづらい」という声も根強く、制度の周知や、現場で使いやすくする仕組みづくりが求められています。
なぜ教師も知っておくべき?
学校現場で不登校支援にあたる先生にとって、保護者の働き方や生活の不安は決して他人事ではありません。
- 面談時間の調整が難しい
- 家庭訪問の支援が必要だが、保護者が仕事を休めない
- 子どもの昼夜逆転への付き添いで親が疲弊している
- 保護者が罪悪感や職場ストレスを抱えている
こうした背景の多くは、「休めない」「時短できない」職場の事情と直結しています。
先生が「こういう制度があるんですよ」と一言添えてあげるだけで、保護者の選択肢が増え、安心して支援につながるケースもあるはずです。
まとめ:制度の存在を知ることが、支援の第一歩
- 不登校対応の負担は母親に集中しがち
- 退職・休職に追い込まれるケースも多い
- 国は「不登校休暇」や時短勤務の整備を促進中
- しかし現場では「使いづらい」実態も
- 教師も制度を知っておくことで、保護者支援の幅が広がる
不登校支援は学校・家庭・地域が一緒に取り組む課題。
学校が保護者と向き合うとき、こうした制度の理解が親の心の余裕を生み、結果的に子どもにとってもより良いサポートにつながります。
(文責 執行委員 安里嗣頼)

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